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金魚

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谷間の炭鉱町に夏になると毎年天秤棒を担いだ金魚売のおじさんが現れた。ある年二匹買った、ビニール袋に入った金魚は美しく空を透かしてみると飛んでいるように見えた。
酸素のブクブクもなく水草を入れただけの水槽、時々水を入れ替える。横向きに泳ぐようになり、腹を上にするようになった、一匹が死んだもう一匹も元気がない、ある人が塩を少し入れると元気になるよといった。塩を入れると少しの時間元気に泳ぎ回った、そして死んだ。大人になる迄、塩を入れられて悶絶の苦しみを味わい泳ぎ回ったに過ぎないことに気づかなかった。あの時の金魚はいない、今も金魚は目にする。
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